ARTICLEワイン記事和訳

先週のアルゼンチンのトップワイン 16 Feb 2015

081.jpg今アルゼンチンで作られている最高品質のワインを知る近道はいかがだろうか?

私は先週のほとんどを、これでもかと冷房の効いたメンドーサのパーク・ハイアットで、今年のワインズ・オブ・アルゼンチン(WoA)・ワインアワードの審査のため缶詰めになっていた。この国を訪れたのは2007年にガウチョとマルベックの国でのワインの進歩を測るこの例年行事の初回に参加した時以来だ。

WoAは毎年審査員のテーマを決めて開催される(全員がMW(マスター・オブ・ワイン)、全員がMS(マスター・ソムリエ)、全員がアメリカ人など)。今年は女性をテーマにした年で18名が選ばれた。パネルごとに1名のアルゼンチン人審査員と、アメリカ、カナダ(この二か国の市場はアルゼンチンにとってイギリスよりも重要である)、日本、フィンランド、ドイツ、シンガポールからの審査員である。その審査員の中には我々MWが6名含まれていた。フィンランドのエシ・アヴェラン(Essi Avellan)、ブリティッシュ・コロンビアのバーバラ・フィリップ(Barbara Philip)、シンガポールを拠点にLVMHの業務で世界を飛び回るアネット・スカーフ(Annette Scarfe)、アメリカのクリスティ・カンタベリー(Christy Canterbury)だ。

常に快活なワイン・ライター、スザナ・バレッリ(Suzana Barelli)はサンパウロ出身だ。昨年のアワードにも参加していた彼女によると、今年はとても穏やかで調和がとれ、効率的に進行したそうだ。確かに私のチームは彼女とあでやかなアルゼンチンのソムリエ講師、マリーナ・ベルトラム(Marina Beltrame)だったが、230あまりのワインをブラインドで共に審査するにあたり、その品質と特徴についてほとんど意見が割れることがなかった。そして意見が割れた時にも、お互いがお互いから学ぶことができたと私は思う。671本のワインが143の生産者からエントリーし、慎重にチェックが行われ、品種、ヴィンテージ、価格帯によって適切なフライトに分類されていた。これはもう一人のMWでハント&コーディという大規模テイスティングの運営を専門に行う会社のジェーン・ハント(Jane Hunt)の担当だった。

ワインズ・オブ・アルゼンチン・アワードへエントリーされたワインはアルゼンチンのワイン・ビジネスの流行の縮図とも言える。2007年と比較してマルベックの比率は漸減し、2007年には赤の47%を占めていたのに対し2015年は46%だった。目に見えて増加したカテゴリーは赤のブレンドで、ボナルダ、プティ・ヴェルド、特にカベルネ・フランが目立つ。シラーとメルローが明らかに減少し、ピノ・ノワールのエントリーも前2年と比較して大きく減った。私が見たところマルベックのラインナップの色のバリエーションが驚くほど豊かになり、アルゼンチンの象徴である赤ワインの進化が見て取れた。

白ワインは依然としてエントリーの五分の一を占めるにすぎず、シャルドネがアルゼンチンの特産である白ワイン用ブドウ、トロンテスを追い抜いた。それは高品質のワインを見ても同じように判断できる。ソーヴィニヨン・ブランは白ワインのカテゴリーの中で3番目に重要とされているが、私が審査を行ったものについては輸出市場で勝算があると思えるものはなかった。ロゼはアルゼンチンでは現実的に注目されておらず、甘口や酒精強化酒も同様である。一方順調な伸びを見せているカテゴリーでシャルドネよりもエントリー数が多いのはスパークリングワインだ。私の同胞である審査員、エシ・アヴェランMWは泡の専門家でもあり、アルゼンチンの人々にプロセッコの大きな成功に関する統計データを見せつけ、スパークリング開発を促している。

4日目は審査員全員でシルバーとブロンズメダルの境、シルバーとゴールドの境、トロフィーの候補にあるワインをテイスティングした。以下は最終的なトロフィー獲得ワインで、金曜の夜にコンチャ・イ・トロのトリヴェント・ワイナリーで発表されたものだ。アルゼンチンが男女の機会均等において後れを取っていることを考慮すると、これらのトロフィーを受け取りにステージに上がった醸造家に占める女性の割合の多さに驚かされた。また、単一畑や珍しいエントリーを知るのも楽しかった。結局は、巨大なペニャフロール(Peñaflor)・グループのダニエル・ピ(Daniel Pi)と彼の醸造チームに軍配が上がる結果にはなったのだが。

再来週にはアルゼンチンでテイスティングした250本強のワイン全てのレビューを発表する予定で、そこには驚くような新しいスタイルの物も含まれている。

以下のリストには欠けているカテゴリーがある。例えばソーヴィニヨン・ブランだったり、ある価格帯のある品種だったり。それはトロフィーを受賞するにふさわしい優れたワインがなかったという意味である。

アルゼンチン・ワイン・アワード2015 トロフィー受賞ワイン

スパークリング
Ruca Malen Sparkling Brut NV
おそらくこの結果は驚くほどのことではないだろう、なぜならこの生産者は以前モエ・エ・シャンドンのアルゼンチン部門を運営していたフランス人だからだ。

シャルドネ 小売価格 $7-13
La Rosa, Finca La Escondida Chardonnay 2014 Salta
巨大企業であるペニャフロール所有。賞賛すべきダニエル・ピの指揮の下、アルゼンチンの特産白ブドウであるトロンテスで最も有名な北部地域から生み出された。

シャルドネ 小売価格 $30-50
Salentein Single Vineyard Chardonnay 2012 Mendoza
オランダ人所有の標高の高い場所に位置する会社で、カテナ(Catena)から新たな醸造家を招いた。

ボナルダ 小売価格$30-50
Cadus, Single Vineyard Finca La Tortugas 2013 Mendoza
姉妹品であるニエト・イ・センチネル(Nieto y Sentiner)の高級市場向けライン。アルゼンチンでは今この二番目に多く栽培される赤ワイン用品種に膨大な労力が割かれており、良い結果が出ている。

マルベック 小売価格$13-20
Septima, Obra Malbec 2012 Mendoza
スペインのカヴァのスペシャリスト、コドーニュ所有。全体的にはスティルワインより泡の方が良い。これは私自身の好みではない。

マルベック 小売価格$20-30
Riglos, Quinto Malbec 2013 Mendoza
このボデガは裕福なワーサイン家(Werthein family) の所有で、神出鬼没のミチェリーニ(Michelini)兄弟のマチアス(Matias)がコンサルタントである。

マルベック 小売価格$30-50
Casarena, Single Vineyard Jamilla's Vineyard 2012 Perdriel, Mendoza
アメリカ人所有の比較的新しいカサレナは単一畑の素晴らしいワインを作っている。もう一つもゴールドメダルを受賞した。醸造家はベルナルド・ボッシ(Bernardo Bossi)。

マルベック 小売価格$50+
Zuccardi, Aluvional Malbec 2012 Vista Flores, Mendoza
この家族経営の畑は標高の高い地域にあり、地質とコンクリートタンクへのこだわりの発見が反映されたワインになっている。彼らの新事業と新たな方向性については後日改めて書く予定だ。

プティ・ヴェルド 小売価格$30-50
Finca Decero, Mini Ediciones Petit Verdot, Remolinos Vineyard 2012 Mendoza
出展されたプティ・ヴェルドの品質には驚かされた。このカテゴリーは小さなものだが近年目に見えて成長している。セメント業界の有力者所有のアグレロ・エステート(Agrelo estate)のもので、単一畑の製品に特化している。

カベルネ・フラン 小売価格$20-30
Santa Ana, Finca La Mascota Cabernet Franc 2013 Mendoza
カベルネ・フランは最近アルゼンチンのワイン業界では流行である。これもペニャフロールの経営。このワインの前のヴィンテージは二束三文でスウェーデンの独占企業に買い取られたらしい。

カベルネ・フラン 小売価格$30-50
Salentein, Numina Cabernet Franc 2012 Mendoza
この生産者2回目のトロフィー

カベルネ・ソーヴィニヨン 小売価格$13-20
Proemio Reserve Cabernet Sauvignon 2013 Mendoza
マルセロ・ボカルド(Marcelo Bocardo)はこの低価格帯のボデガを2003年に開始したが、トロフィーを受け取りに来なかった。

タナ小売価格$30-50
El Esteco, Serie Fincas Notables Tannat 2012 Salta
これもまたペニャフロ-ルの子会社のもので、マイケル・トリノの上位、プレミアム・ラベルであるサルタのもの。アルゼンチンでは時々マディラン種から非常に魅力的なサンプルが作られる。

赤のブレンド 小売価格$50+
Finca Sophenia, Synthesis The Blend 2011 Gualtallary, Mendoza
ロベルト・ルカ(Roberto Luka)はWoAの前会長でこのボデガをトゥプンガトのグアルタジャリーに設立した。私にから見るとシロップ感が強すぎ、味わいを誇張しすぎていて個人的には好みではなかったが、素晴らしいブレンドはいくつかあった。

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