型破りなワインサーブシステム、コラヴァン(Coravin)が、型だけでなくボトルを「破」裂させてしまったため販売中止を決定、新たな安全対策を発表した
コラヴァンの操作過程でボトルに不活性なアルゴンガスを注入する際、もともと傷があったと思われるボトルが破裂したようだ。メーカーは7件のボトル破裂の報告を受け、一時的に販売を中止、報告の中にはアメリカの個人収集家の顔の近くでマグナムボトル(ひびが入っていた)が破裂した事例も含まれている。現在は完全に回復しているものの、彼は唇を切り、歯の一部が欠ける怪我をした。これは開発者にとっては最悪の事態である。
その開発者であるグレッグ・ランブレヒト(Greg Lambrecht;写真)は「ボトルが破裂する確率は7万8千分の一、それによって怪我をする可能性は50万分の一と考えているが、負傷者が報告のあった1名のみか全力を挙げて確認を行う。」とコメントした。
「2月に弊社は警告文を更新して破裂の危険性を明記し、コラヴァンを使用する前にボトルに傷がないことを確認するよう消費者に求めており、安全のためネオプレン(訳注:合成ゴム)製のボトルスリーブの使用を推奨している。スリーブを使用すれば、ボトルの傷を見落としたとしても最悪の事態は防げる。」
「結論としては十分な数のスリーブを確保できるまでコラヴァンの販売を中止する。弊社はコラヴァンの購入者全員と、スリーブの効果を検証したい人にネオプレン・スリーブを1個無償で提供する予定であり、ネオプレン・スリーブの供給元として世界最大の会社の一つとなるだろう。また、弊社のウェブサイトも更新し、警告文などを変更する。米国内では7月4日まで販売を中止する予定であり、9月に予定していたEUでの発売は10月に延期する予定だ。」
「一方、カプセル(訳注:注入用アルゴンガス)と針(訳注:コルクに突き刺してガスを注入する)の販売は継続できるのがせめてもの救いだ。」
ネオプレンのボトルスリーブは魅力的なワインアクセサリーとは言えないし、少量の上質なワインを酸素に触れさせることなく取り出せるコラヴァンに慣れてしまったレストランやワインバーなどの多くがこのメーカーのアドバイスを聞き流すことは容易に想像できる。
しかし、この製品を使用する際にはボトルに傷がないかきちんと確認する方がよいには違いない。
メーカーの警告文はこちら
(原文)