ARTICLEワイン記事和訳 本記事は著者であるジャンシス・ロビンソンMWから承諾を得て、
Jancisrobinson.com 掲載の無料記事を翻訳したものです。

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TT:木曜特別シリーズの意。最近の事例に関連のある過去の記事を再掲するコーナーです。

訳注:本サイトで「木曜特別シリーズ」としているこのシリーズは、過去の記事を再掲するコーナーにもかかわらず多くの読者(英語版の)が最新の記事だと勘違いしてしまうことがあるそうです。そのため原文サイトではタイトルの最初にTTを付けることで過去の記事だとわかりやすくしました。本サイトでもその方針に基づき、TTの文字とその説明を冒頭に付与することにしました。

2014年8月21日 今日の木曜特別シリーズは、約10年前、チリは有機栽培に有利なのにそれを生かし切れていないと指摘した際に寄せられた情報を再掲する。ちょうど今週、ドリンクス・ビジネス誌が「チリは100%有機栽培にすべき」という記事を掲載したタイミングにぴったりだろう。また、同誌ではチリ最大の生産者であるコンチャ・イ・トロがマウレで昔ながらのパイスとサンソーを使ったワインの生産を開始したことも掲載している。マウレは長いこと無視され続けてきた地域だが、我々は数年前からそのポテンシャルを再三指摘していた。当サイトの検索欄にMauleと入力し検索すれば、多くの記事がヒットするはずであるし、その中にはここに示しているような忘れがたい映像を伴う地震後のレポートも見つかるだろう。

2004年9月19日 モンティ・ウォルディンは有機栽培に精通したイギリスのワイン・ライターで(その分野に関する著書も多くある)、先日の「有機栽培がチリを席巻するか・・・否か」で私がチリの有機栽培に対する消極的姿勢を悲観しすぎていると考えたようだ。彼は昨年入手したチリの有機栽培畑のリストを親切にも送付してくれた。確かにこれらすべての畑が機能し、その産物が商品となれば、チリは有機ワインの信奉者たちにとって豊かな供給源となるはずだ。

– アグアティエラ(Aguatierra): リマリ・ヴァレーの31.56 haが2001年3月からIMO*による有機認証
– アレンプエ(Alempue): クリコ・ヴァレー(?)のワイン用ブドウ50 haが2003年にIMOによる完全有機認証される予定
– アンティヤル(Antiyal): マイポ・ヴァレー、パイネ近郊ウエルケンの0.5 haが2002年5月からIMOによる有機認証。アルバロ・エスピノザ(Alvaro Espinoza)
– カネパ(Canepa): コルチャグア・ヴァレー、マルキウエ近郊トリニダードの19 haがBCS**による有機認証
– カルメン(Carmen): アルト・ジャウエルの25 haはIMOによる完全有機認証済、さらに100 haは有機に移行中。
– カサ・ラポストル(Casa Lapostolle): アパルタ・ヴァレーの66.6 haがBCSによる有機認証.
– チャカレロ(Chacarero): 詳細不明、 IMO
– チェクエン・ワインズ(Chequen Wines): 18 ha、 IMO.
– コンチャ・イ・トロ(Concha y Toro): 約33.36 ha。カサブランカ・ヴァレーのエル・トリアングロ・ヴィンヤードの、シャルドネ (5.73ha)、BCS。カサブランカ・ヴァレーのロ・オヴァル・ヴィンヤード。有機ピノ・ノワール(4.74ha);マウレ・ヴァレーのロウデス・ヴィンヤード、カルムネール (16.27ha)およびカベルネ・ソーヴィニヨン(11.36ha)は有機栽培(2002年より)。サン・クレメンテ・ヴィンヤード、ケブラダ・デ・アグアおよびマリポサスはサン・クレメンテ・オーガニックによる(?)認証。ケブラダ・デ・アグアのPNも有機栽培だったが、マルセロによると運営上何らかの問題があった模様で再度取組み、2002-2003の間に結果が出る予定。(訳注:寄せられた覚書のまま掲載されており、セミコロンなどの用法が不統一のため一部関連が不明確です)
– コノ・スル(Cono Sur): チンバロンゴ、サンタ・エリサの40 ha。BCS
– エラスリス(Errázuriz): 35.3 ha、おそらくBCS
– ウエルケン(Huelquen):アンティヤル(Antiyal)と同様?
– ラ・フォルチュナ(La Fortuna): クリコ・ヴァレー、エル・セミレロの46.09 ha。IMO
– ラス・ロマス(Las Lomas): 151.43 ha、IMO
– マテティック(Matetic): 32 ha、2001年よりIMO
– ミゲル・トーレス・チリ(Miguel Torres Chile): 13 + 32 ha、IMO
– モンテス(Montes): アパルタの16 ha、およびマルチグエの12 ha。BCS
– モングラ(MontGras): 80 ha、BCS、2004年予定
– パルグア(Pargua): 面積不明、IMO
– サン・ロレンゾ(San Lorenzo): イサル・デ・マイポの17 ha。IMO
– サン・ラファエル(San Rafael): チルカス、VIAグループ参照
– サンタ・イネス(Santa Inés): 50 ha。BCS
– テラ・マテル(TerraMater):ワインのみ
– ヴェンティスクエロ(Ventisquero): マイポ・ヴァレーのタンテウエ・ヴィンヤード、66.6 ha。BCS
– VIAグループ(VIA Group): 38 ha、チルカス (PROA – IMOと協議中).
– VOE: マイポ、カサブランカ、コルチャグア・ヴァレーの189.5 ha。IMO

*IMO:Institute for Maketecology(有機農法の管理認証機関)
**BCS : Oeko Garantie GmbH(訳注:社名)

<原文>