ARTICLEワイン記事和訳 本記事は著者であるジャンシス・ロビンソンMWから承諾を得て、
Jancisrobinson.com 掲載の無料記事を翻訳したものです。

036.jpg6名のマスター・オブ・ワイン(MW)志願者の苦闘は今朝、彼らにその貴重な2文字のアルファベットが授与されるという知らせで終わりを告げた。これで世界のMWは24か国に319名となった。このワイン業界の殿堂入りを果たした人数は男性が女性の倍、存命の女性MWは96名である。志願者はMWの称号を手にするために、筆記と実技(テイスティング)の両方の試験に合格し、さらに論文あるいは翌年以降に研究論文を提出し、認められなくてはならない。この10年間に誕生したMWのほぼ半数が女性である。

同時に、今年の筆記試験の結果はMW協会理事であるペニー・リチャードによって「今回の受験者数は過去最大で、論述試験の成績も過去最高だった。」と発表された。次のMWコース1年目への応募は金曜に締め切られ、2013年の応募者数を26%上回った。

新MWとその略歴は下記の通り。

ナターシャ・ヒュース(Natasha Hughes)MW(イギリス)

ナターシャ(写真)はフリーランスのワイン&フードライター、コンサルタント、講師。彼女のキャリアは世界で最も権威のある雑誌やウェブサイトへの寄稿、飲食店、企業、あるいは個人を対象としたコンサルティング、業界および一般向けセミナーやテイスティングの企画まで多岐にわたる。ナターシャは世界中のワイン・コンクールの審査員も務める。
「タシュの論文のメンター(訳注:MWコース受験生に割り当てられる指導者)として、今朝のこのニュースは本当にうれしかったわ。タシュと同じぐらいほっとしているの。」ジュリア談

ロビン・キック(Robin Kick)MW(アメリカ)

シカゴ出身のロビンはスイス、ルガーノにある優れたワインブローカー、ARVI SAに勤務している。フランス、シューズ・ラ・ルース大学で学んだ後1999年にワイン業界に入った。クリスティーズのオークションハウス、ブルゴーニュの専門家であるグッドハウス(Goedhuis)・アンド・コーですばらしい教育を受け、経験を積ませてもらったことに感謝している。

アンネ・クレビール(Anne Krebiehl)MW(ドイツ)

アンネはロンドンに拠点を置くフリーランスのワインライターで講師でもある。彼女の仕事は業界及び消費者向け出版物に広く掲載されている。彼女はロンドンのレストラン向けに、特にドイツワインについて講義を行い、ワイン関連の文書の翻訳も行う。アンヌはまた、国際的なワイン・コンクールの審査員も務める。ニュージーランド、ドイツ、イタリアで収穫と醸造の経験ももつ。アンヌはドイツ人として5人目のMWで、うち女性としてはカロ・モウラー(Caro Maurer)MWに次いで2番目にこのタイトルを取得した。

ロブ・マクロッホ(Rob MacCulloch)MW(イギリス)

ロバートがワインと関わったのは1995年のオッドビンズ(Oddbins)が最初だった。その後ニュージーランドのモンタナ・ワインズに勤め、イギリスのハッチ・マンズフィールド(Hatch Mansfield)およびビベンダム(Bibendum)で働いた。現在フルタイムでブルゴーニュ専門のインポータ、ドメーヌ・ダイレクトに勤務する傍ら、小売店であるタウルス・ワインズで非常勤。

ニコラス・パリス(Nicholas Paris)MW (アメリカ)

ニコラスは現在コネチカット在住で、アメリカのEJガロ教育部門のシニアマネージャーである。ワイン業界に入ってから、ニコラスは小売り、卸、オークション、ワイナリーなど、様々なビジネスシーンを経験してきた。そのワインキャリアの間にニコラスは教育、ワイン審査とワイン旅行に積極的に取り組み、数か国語に精通している。

ルイーズ・シドベック(Louise Sydbeck)MW (スウェーデン)

ルイーズは20年以上フランス在住で、社会人になってからずっとワイン業界に関わってきた。ソムリエ、ワイン・ツアーガイドとしてスウェーデンで働いたのち、アンティーブで自身の仕事を夫と共に立ち上げ、コートダジュールの近くで豪華なヨットと共にワインを販売している。ルイーズはスウェーデン人として3人目のMWで、アルフ・シューディン(Ulf Sjödin)MWとマデレイン・ステンレス(Madeleine Stenwreth)MWに続いた。

個人的にはルイーズの仕事の響きが好きだ。メールアドレスがリヴィエラヨット・サポート・ドットコムで終わるのだから。

原文