ARTICLEワイン記事和訳 本記事は著者であるジャンシス・ロビンソンMWから承諾を得て、
Jancisrobinson.com 掲載の無料記事を翻訳したものです。

068.jpg先日開催したバローロ・ナイトのチケットがどちらも数日で完売したことを受け、我々は考えた。我々の主要な業務はワインとそれに関わるテーマについて公平な情報と意見を提供することで、 イベントを企画することではない。記事を読まれた方はご承知の通り、バローロ・ナイトの収益はほとんど手放している。

しかし、読者の皆さんの多くがワインに対する強い興味を持ち、魅力的なテイスティング・イベントには有料でも参加する意思があることがはっきりわかったのも確かである。「管制官」としての私の立場上、多くの人材をワインのテイスティングや記事の執筆から巨大なイベントの運営へ回すことには慎重にならざるを得ない。また、これまで14年間、我々はワインの生産者や小売店との利害関係をあえて避けることで成功を収めてきたため(倫理ポリシーを参照のこと)、すでにあちこちで開催されているような消費者を対象とした大きなワインフェアを主催することにも慎重である。更に言うまでもなく、ロンドンにはすでにワイン・イベントがあふれているため(カレンダー参照)、そこに加えるとしたらテーマが本当に意義のあるもので、皆さんにとって本当に興味の持てるものだけにしたいと考えている。

我々が初めて主催したイベントは大規模なシャンパーニュの比較試飲会で、2010年12月のことだった。これは単純にこのサイトの10周年を祝うためのもので、テイスティングの訓練としても面白いものだった。その後バローロに着目したものを2回開催した。バローロは偉大なワインであるにも関わらず、今もなおイギリスの消費者には試飲会であまり紹介されていないと感じていたためだ。しかし、読者のみなさんは我々に追求して欲しいと思っているテーマが他にもあるに違いない。そこで皆さんのご意見をぜひともリンク先のアンケートで我々に送っていただきたいのだ。

それともう一つの要素として、ありがたいことに息子のウィル・ランダー(Will Lander)がクラーケンウェルにあるザ・クオリティ・チョップ・ハウス(The Quality Chop House)というレストランとワインバーを兼ね、精肉と食材の販売も行っている店の共同経営者であるため、親密な(ある種のコピー・ライターはこの言葉をこういう場面にだけ使うことが多いが)夕方早い時間のワイン・テイスティングを12名程度で行う会場がロンドンのEC1エリアに確保されているということだ。この魅力的な建物はエクスマウス・マーケット(レストランMoroなどがある)の角を曲がった場所にあり、ファリンドン駅から徒歩で、キングス・クロスやエンジェルからはバスで、バスの19番または38番のマウント・プレザントからもすぐだ。この立地はシティエリアやサザーク、イズリントンからイーストロンドンに至る扇形の地域からもアクセスが容易だ。

現在毎週月曜日にはショップのタイル張りの地下の部屋で分厚い木製のテーブルを囲んだ肉のさばき方講座が開催されている。ワイン・テイスティング用にはその部屋を火曜日の7時から8時半ぐらいの時間帯で提供してくれるそうだ(もちろん月曜日の片づけは跡形もなく完ぺきにしておいてくれる)。上階のレストランとワインバーにはワインがひっきりなしに入れ代わり、賞を取ったこともあるワインリストがあり、テイスティングの前後に楽しむこともできる。ショップではザルト(Zalto)のワイングラスも販売しており、グラスの質も安心だ。

おそらくロンドンでは生産者主体のテイスティングは十分に開催されていると思うので、JancisRobinson.comチームによるテイスティングではより幅広いワインを選択することになると思われる。ジュリアはその能力の高さで評判で、よくマスター・オブ・ワイン協会からテイスティング・セミナーの依頼をされている。私もたまには担当するかもしれないが、アレックスやウォルターにも1つか2つはお願いする予定だ。タムは快活なワイン講師としての経験がある。リチャードも人気ワイン講師としての顔も持ち、ワインのスポンサーがつくワイン・セミナーの問題点を私に提案してくれるほど十分な経験がある。 つまり、これ以上に本当の意味で勉強になるコースはないと言える。我々がワイン・テイスティングを主催するとしたら、ワインの質は最高峰であることも保証する。

以上が、みなさんにアンケートに答えていただくための序文である。もし少しでもロンドンで開催されるJancisRobinson.comチーム主催の大小のワイン・テイスティングに興味があれば、アンケートフォームからあなたの意見を聞かせていただきたい。

訳注:原文の下部にアンケートフォームがあります。英語での記入になりますが、どなたでも参加できるようになっています。