多くのパープルページ読者が私たちの付けるワインのスコアに大きなブレがあることにいらついていることは知っている。テイスターによる差だけではなく、(それはだいたい私なのだが)同じテイスターでも複数の場面で同じワインをテイスティングすると毎回大きく異なる点数が付くことがある。私はこのことについて説明を求められると常にボトル差に触れることにしている。同じロットのボトルでもそれがいかに大きく変わりうるのか、そしてそれはおそらく主にコルクの品質に由来するが、保存条件にも依存するし、瓶詰めロットの違いにもよるだろう。この言い訳は異なる環境で同じケースのボトルを試した私自身の経験に基づいたもので、その間には数か月あるいは数年のタイムラグがあることもある。
金曜の夜に私は初めて、全く同一の提供元のワインを複数同時にテイスティングする機会を得た。ニックと私はシドニーで例年行事であるルーム・トゥ・リード(Room to Read)のワイン・ガラ・パーティに出席したのだが本当に豪華なパーティで、記録的な335万豪ドルもの寄付が低所得国の識字率を挙げるために集まった。私たちは特にルーム・トゥ・リードの生徒、そして今は写真の子供たちの先生となったベトナムのTay Thi Nguyen の講演と、前の週に行われた香港でのガラでは320アメリカドルが集まったことに感銘を受けた。
そこでは息を呑むようなワインが提供され、それらは100%、寛大な生産者からの寄付だった。ドン・ペリニヨン2006、グロセット・スプリングヴェイル・リースリング(Grosset Springvale Riesling)2015、ペンフォールズ・ヤッターナ(Penfolds Yattarna)2008、デ・ボルトリ・ファイ・ピノ・ノワール(De Bortoli Phi Pinot Noir)2013、ショウ・アンド・スミス・シラーズ(Shaw + Smith Shiraz) 2014、ヘンチキ・ユーフォニアム・シラーズ(Henschke Euphonium Shiraz)2012、カレン・ダイアナ・マデリン(Cullen Diana Madeline) 2010、キャンベルズ・クラシック・ラザグレン・マスカット(Campbells Classic Rutherglen Muscat)とキャンベルズ・マスカット・オブ・ザ・センチュリー(Campbells Muscat of the Century)1986などだ。シドニー・ヒルトンに400名のゲストが到着する直前、私はふとすべてのボトルを誰かがチェックしたのだろうかとの疑問を抱いた。その前の週の香港ではワトソンズのスタッフが実際そうしていたからだ(特にシャトー・パルメ1989のようなワインには必要な作業だった)。
ボトルチェックは誰も行っていないことがわかったものの、コルクだったのはカレンだけだったので、私はルーム・トゥ・リードのTシャツをクリーム色のドレスの上にはおり、Vanya Cが親切にも寄付してくれたカレンのワインをこっそり確認することにした。それまでに26本のマグナムが抜栓されていて、いくつかはすでにデカンタージュもされてしまっていたが、私は自分用に少量ずつ、香りを取るためにワインを注いで回った。そしてあまりにも違いがあることに信じられない思いだった。声高に訴えかけるような力強い香りのするものもあれば、カベルネが前面に出ているものもあれば、控えめなものもあった。私はそのうちごくわずかな、かすかに疑いを感じたサンプルだけをテイスティングし、マグナムのうち2本を却下した。そして非常に大きな差があったものの、それほどひどくないとはいえTCAを明らかに感じたものの割合は少なかった。
これこそがボトル差の明らかな証拠だろう。そして私はこの実験はカレンのワインだけに関するものではないことも断言しよう(彼らはその後ビオデナミ認証された畑のすべてのワインにスクリューキャップを用いている)。そして定期的に提供前の複数の同じワインのボトルをチェックしている人なら誰もが同じ体験をしていると証言してくれる自信もある。
残念なことにスクリューキャップのワインのボトルを複数比較する時間がなかったので、次回またその機会があるのを楽しみにしている。
(原文)