ARTICLEワイン記事和訳

2002 シャンパーニュおよびその他の泡 3 Dec 2016

197.jpgこの記事の別バージョンはフィナンシャル・タイムズにも掲載されている。

ブラインド・テイスティングは非常に勉強になるものだが、ワインの与える喜びを減らすと言う側面がある。もし非常に大きな公開テイスティングを運営する側になるとすれば、その勉強に役立つという面すら時間に追われることで半減し、喜びについてはほぼ無いに等しい。

数か月前に専門小売店であるザ・ファイネスト・バブル(The Finest Bubble)が主催した2002プレステージ・シャンパーニュのブラインド・テイスティングはまさにそのような機会だった。(写真は我々がテイスティングした際のもので、マット・マーティン(Matt Martin)が撮影した。)このヴィンテージは今世紀で最高のヴィンテージの一つとして認識されており、そろそろ壮大で深みのある飲みごろに差し掛かってきている。

我々がテイスティングした15のワインは特に超一流のものばかりで、例えばサロン、クリュッグ、ドン・ペリニヨン、クリスタルなどの偉大なスターから、もちろんボランジェRD、テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ、ドン・リュイナール、ポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチル、ゴッセ・セレブリ、フィリポナ・クロ・デ・ゴワセ、ペリエ・ジュエ・ベル・エポック、ランソン・ノーブル・キュヴェ、ポメリー・キュヴェ・ルイーズなどが含まれていたことは言うまでもない。これら全ては各シャンパーニュ・ハウスで生産されるものの中で最も高価なもので、ドン・ペリニヨンはモエ・エ・シャンドンのプレステージであり、サロンはこのハウスが唯一生産するもので、他を寄せ付けない成層圏級の品質を誇るとされている。

それ以外に2つの2002があったが、一つは高く評価を得ているあの独特なジャック・セロスのブラン・ド・ブラン、もう一つは普通のポル・ロジェ2002のマグナムだった。後者はプレステージ・キュヴェではない「ただの」ヴィンテージ・シャンパーニュなのだが、常にその格を超えたパフォーマンスを見せるとされ、その価格は「ただの」ヴィンテージ故現在1本60ポンドであり、ポルの最高級品でサー・ウィンストン・チャーチルの名を戴いたプレステージに付けられる200ポンドという価格とは大きく異なる。

テイスティングは一組ずつ、理論的には最も生き生きしているはずの、シャルドネのみから作られるブラン・ド・ブランを先にして行い、50名のテイスターはそれらを20点満点で採点し、それが何かを当てるように指示された。提供される銘柄のみが知らされ、その順番は知らされていなかった。50名のうち34名の勇気あるテイスターはスマートフォンを使っての投票に応じ、どのワインがどう評価され、それまでにグラスに注がれたものが何だったのかリアルタイムで知ることができるようになっていた。

最も面白い結果の一つが(個々の評価は後日まとめる)ポル・ロジェ2002が4番目に人気があり、そのプレステージ・キュヴェ、サー・ウィンストン・チャーチルよりも上だったことだ。マグナム・サイズが功を奏したとも言えるが、この印象的な結果、ヴィンテージ・シャパーンニュを注意深く選べばプレステージ・キュヴェに大枚をはたく必要がないという可能性を示すものと言えよう。

ポル・ロジェ2002より高いスコアを得たのはボランジェRD、ヴィンテージの王様クリュッグ、そしてテタンジェ・コント・ド・シャンパーニュだったが、テイスティング終盤になると(すでにテイスティングされたものは開示されるため)多くの選択肢が消され、残りのシャンパーニュが何なのかわかる確率が大きく上がっていた点は指摘しておくべきだろう。さらに、レイト・デゴルジュド(RDはレサマン・デゴルジュ(récemment dégorgé)を示す)ボランジェとクリュッグはいわゆるフルボディで最も複雑なシャンパーニュであるため、テイスティングの順番を決めたのが誰であれ、これらを終盤に持ってくるのは当然のことだろう。

これらプレステージ・キュヴェほどに印象の強いワインを特定するのは魅力的な取り組みであり、合計12名のテイスターが正確にそれと言い当てた確立が2番目に高かったのはブラン・ド・ブランであるにも関わらずジャック・セロスだった点は興味深い。それが提供されたのは比較的早く、15の可能性のうち2つしか消去されていない段階だった。ワインメーカーがこれはシャンパーニュではなくワインだと主張しているだけあって、このワインは他とは一線を画していた。実際にその味わいは古い白のブルゴーニュにレーズンが漬け込まれたような見た目と味わいだった。私の好みではないが、おそらく多くの人にとってもそうだろう。

このテイスティングの最も楽しかった面はブランドの強さを知ることができた点だ。我々の多くは各シャンパーニュがどんな味なのか明確な印象を抱いている(それが間違っていることが多いとしても)。ところがほとんどの人が間違えたワインは面白いことに普通は間違いようのないと考えられているクリュッグ2002だった。ただ一人、ザ・ファイネスト・バブルのニック・ベイカー(Nick Baker)だけがそれを当てることができた。そしてポメリー・キュヴェ・ルイーズは明らかにブランドの印象が不明確であることが浮き彫りになった。というのも、ワインの表現する特徴がどのブランドの印象にも当てはまらない場合に、我々はそれをキュヴェ・ルイーズと推測する傾向にあったのだ。

ボランジェRDは最後に3つ同時に、ルイ・ロデレールのプレステージ・キュヴェであるクリスタルと、この上なく柔軟なキュヴェ・ルイーズと共に注がれたので、16名ものテイスターがそれを正確に言い当てたのは驚くに値しない。だが実にがっかりしたのはこのフライトではこのテイスティングのワインの中で最も高価であるはずのクリスタルが緩く、甘ったるい印象だった点だ。そのインポータですらがっかりしていた。私自身、リリース当初にテイスティングした際はとても良かったが、以前ブラインドでテイスティングした際も感銘を受けることはなかったし、ロデレールがクリスタルの垂直試飲を開催した際にも彼らは(気の毒に)まともなものを探すために3本もボトルを開けなくてはならなかった。

興味深い点はファイネスト・バブルではスマートフォンを使ってテイスターがYというワインをXだと考えて点数を付けたものと、実際にXをテイスティングした際のスコアの違いを見ることができる。クリュッグ、サロン、コント・ド・シャンパーニュは期待値としては最高のスコアを獲得していた。その期待と実際が最も大きかったのはサロンで、このブラン・ド・ブランだと想定したワインに付けた点数と、その実物に付けられた点数だった。その強さは楽しめたのだがボトル差が非常に大きく、フィニッシュにやや収斂性が感じられた。販促物に書いてあるような「魅惑的」なものではけしてなかった。一方、別の機会に飲んだサロン1997は最近飲んだものの中で最高のものの一つだった。

いずれにせよ、シャンパーニュの今飲むべきヴィンテージとして2002はお薦めだ。これらの15のシャンパーニュすべてに20点満点中17点以上を付けたが、19を付けたのはドン・ペリニヨン、ボランジェRD、そしてそう、あのポメリー・キュヴェ・ルイーズだ。

だがもちろん、シャンパーニュには3ケタの価格が付くため、私たちの多くにとって問題外だろう。イギリスで最近のお買い得を見つけようとして作ったリストが下記だ。基本的にスーパーで販売されているような安価なシャンパーニュは何があっても避けるべきだが、クレマン・ド・ジュラは今でも最も買うべきものの一つであり、見栄えも良い。

テイスティング・ノートも参照のこと。また世界の取扱業者はWine-searcher.comで探すことができる。

絶対に買うべきスパークリング

Philippe Michel 2013 Crémant du Jura
£7.49 Aldi

Miguel Torres Cordillera NV Curicó, Chile
£13.50 Taurus Wines, Telford Wines, Polygon Wine, Dronfield Wine World


Vincent Carême, Ancestrale Pétillant 2014 Vouvray

£21.95 Berry Bros & Rudd

Pascal Doquet, Horizon Blanc de Blanc NV Champagne
£24.20 Justerini & Brooks


Nyetimber, Classic Cuvée England
£24.74 Waitrose (特別価格)

Pierre Peters Extra Brut NV
£42 Berry Bros & Rudd

Arteis Rosé 2007
£43.99 Roberson

原文