史上初めて、イギリスで大規模な国際ワイン専門シンポジウムが開催されることとなった。2016年5月26日から28日の三日間、ちょうどロンドン・ワイン・トレード・フェアのすぐ後に、第9回国際冷涼気候ワインシンポジウム(International Cool Climate Wine Symposium; ICCWS)がロンドンから南へ1時間の海沿いの街、ブライトンで開催される。ここへの列車はロンドンから頻繁に出ている。このシンポジウムはメトロポール・ホテルで開催され、2016年ブライトン・フード・フェアと同時開催することで包括的な美食のイベントを目指している。
このチケットを今月中、つまり今年中に申し込むと20%の割引が受けられ、600ポンドの入場券が500ポンドで購入できる。このチケットでシンポジウムの全てのプログラム(レクチャー、ワークショップ、マスタークラス、ワインテイスティング)に参加でき、期間中全ての日程で午前と午後の軽食とランチがつく。1日券は250ポンドで販売される。
このシンポジウム開催の原動力となったのは、ブライトン郊外にある最先端のイギリスのワイン教育機関であるプランプトン大学のワイン学部長であるクリス・フォス(Chris Foss)と、イギリスのスパークリングワインを世に知らしめるため尽力したリッジビュー(Ridgeview)の故マイク・ロバーツ(Mike Roberts)MBEである。彼らは前回2012年に開催されたタスマニア大会(FIFAは無関係である)でイギリスでの開催を働きかけ、首尾よく成功した。このシンポジウムは4年に1度開催され、私は幸運なことに1988年に第2回のニュージーランドのオークランド大会とタスマニア大会に参加した。私なこの第9回大会がイングランドとウェールズのワインの品質をこの数十年で変えてきた努力を祝い、その正当性を評価するものと位置付けられているように感じる。
フォスはプログラムの最終化に大忙しだが、すでに全てのワイン学習者とワイン愛好家の興味を引く魅力的な発表者と時事的な演題を数多く集めている。現在講演が決定しているのはガイゼンハイムのモニカ・クリストマン(Monika Christmann)博士とハンス・シュルツ(Hans Schultz)博士、ワインと気候変動のカリスマ、オレゴンのグレゴリー・ジョーンズ(Gregory Jones)教授、シャトー・シュヴァル・ブランとボルドー大学のキー・ヴァン・リーウェン(Kees van Leeuwen)教授、中国ワインの第一人者、馬会勤(Huiquin Ma)博士(教授)、オーストラリアのトニー・プロフィット(Tony Proffitt)博士とポール・ヘンチキ(Paul Henschke)博士、ブリティッシュ・コロンビアのパット・ボーエン(Pat Bowen)博士、官能評価の専門家、シャルル・スペンス(Charles Spence)教授、オーストラリアのウィリ・クリンジャー(Willi Klinger)、ワイン・ライターのオズ・クラーク(Oz Clarke)とジェイミー・グッド(Jamie Goode)博士、マスター・オブ・ワインであるスティーヴ・チャータース(Steve Charters)教授とジャスティン・ハワード・スネイド(Justin Howard-Sneyd)、スパークリングワインの専門家、エシ・アヴェラン(Essi Avellan)、そして私である。
栽培と醸造に関する革新的な研究を発表するだけにとどまらず、このシンポジウムの主催者はマーケティング、テクノロジー、そして販売の分野も深く掘り下げたい意向だ。
このシンポジウムに最も深く関わっている団体はイギリス栽ブドウ栽培協会(United Kingdom Vineyards Association) 、イギリスワイン生産者組合(English Wine Producers)、プランプトン大学、ブライトン大学、やや一般向けではあるが国際ワインシンポジウムも開催しているマスター・オブ・ワイン協会である。イギリスのワイン&スピリッツ協会からも助言をいただいている。
(原文)