イギリスのワイン業界に興味のある人なら今夜のミッドサマー・マーダーズ(邦題「バーナビー警部」)は大いに楽しめるだろう。これはITVの人気ドラマシリーズで、イギリスの、文字通りやたらと犯罪率の高い村が舞台だ。このドラマの人気ぶりは、BBCご自慢のヒラリー・マンテル原作でオリバー・クロムウェルの生涯を描く非常に評価の高い「ウルフ・ホール」を視聴率の上では上回るほどである。
女性のワイン・ライターが不運の死を遂げる今夜のドラマがどのように受け止められるのか非常に興味深い。家族経営のイギリスのワイン・ビジネスを舞台に黒い影がうごめくのである。
このプロデューサーとは友人で、私は台本の監修を頼まれた。ステファン・スケルトン(Stephen Skelton) MWにはイギリスのワイン作りにかこつけて人を殺す最適な手段を考えるのを大いに助けてもらった。写真は俳優であるニール・ダッジェオン(Neil Dudgeon)とグウィリム・リー(Gwilym Lee)がミッドサマー・ヴィナイ・ワイナリーで捜査をしている場面だ。
台本を読んだとき最初は気づかなかったのだが、プロデューサーは女性のワイン・ライターの特徴を私とかけ離れたものにするため、アブソリュートリー・ファビュラス、ドクター・フー、トーチウッドなどで活躍するアジア人女優、ナオコ・モリをキャスティングしている(「著名なワイン評論家である彼女は辛辣なコメントが特徴で、いつも眉を吊り上げている」役柄である)。幸いなことに彼女は(訳注:ジャンシスを連想させる)ジェニーではなく、ナディア・シモンズという役名だった。
それから目についたキャストと言えばクレア・ブルーム(Claire Bloom)だ。60年以上の芸歴をもつ彼女がミッドサマーシリーズに出演するのは今回が初めてだ。彼女は1952年、チャーリー・チャップリンがライムライトで彼女をヒロインに抜擢し、一気にスターダムに駆け上がった女優である。もちろん他にもなじみのキャストがいるに違いない。
「ヴィンテージ殺人事件」は今夜9時、ITVで放映だ。
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