これはフィナンシャル・タイムズにも掲載された記事のロング・バージョンで、20本を推薦することになっていたが24本掲載している。
シャンパーニュおよびその他のスパークリングワインに関する詳細は「The fizz assortment」と「Fizz assortment – part 2」を参照してほしい。また以前掲載した関連記事、「最高の赤(原文)」と「最高の白、最高の酒精強化酒(原文)」も参照のこと。
贅沢なスパークリングは枚挙に暇がないが、リストの最初にはお買い得なものもいくつか掲載している。これらは全てアルコール度数が12~12.5%程度で、最初の1本とリッジビュー(Ridgeview)以外は全て、私が最近(訳注:20点満点中)17点以上を付けたもので、そのうちのいくつかは品質の試験としては決定的と言えるブラインドテイスティングでその点がつけられたものである。軽やかで、本当にお買い得なものを探しているのなら、シャルドネのみで生産者組合が作ったクレマン・デュ・ジュラがアルディ(Aldi)から7.29ポンドで出ている。「ジュラ・ワイン(Jura Wine)」の著者であるウィンク・ローチ(Wink Lorch)によると、これは現時点ではジュラで最も多く輸出されているワインだそうだ。
Marc Chauvet, Tradition NV Champagne
シャンパーニュ用の3種のブドウを使ったバランスのとれたブレンドで、リリー・ル・モンターニュ(Rilly-Le-Montagne)の生産者が2010主体で、古いヴィンテージのワインを25%用いて作っている。私の採点では17点には届かず16.5点だったが、非常にコストパフォーマンスの高いワインである。
£24 The Real Wine Co
Artéis & Co 2002 Champagne
魅力的な新しい生産者が、シャンパーニュのカテゴリーとしてこれまで強く求められてきた新しさを提案した。奇妙なアクセントのアルテイス(Artéis)はいわゆるマイクロ・ネゴシアンで、ヴィンテージ・シャンパーニュを小さな単位でブドウ農家や小さなシャンパーニュ・ハウスから買い上げ、デゴルジュマンを行って自身のラベルで販売する。そのためワインは熟成感とフレッシュさを併せ持つが、これは非常にお買い得である。
£29.95 (reduced from £35.95) Roberson
De Castelnau, Blanc de Blancs 2002 Champagne
これほどの熟成を経た、しかもこのような良いヴィンテージのシャンパーニュとしては非常にお買い得。ごく辛口ではなく、余韻もそれほど長くないが、安定した生産者組合によるものとしては買いだろう。
£30.99 Click n’ Drink
Herbert Beaufort, Carte d’Or NV Champagne
M&Sが長く取引をしているブージー(Bouzy)の生産者によるこのワインは非常に骨格のしっかりした2006年のピノ・ノワール主体のワイン。幅広く楽しめる良心的な価格のシャンパーニュで、ステーキと合わせることもできそうだ。
6本セットで£192 M&S (1本あたり £32)
Mumm, Demi Sec NV Champagne
このあえてやや甘めに仕上げたシャンパーニュの繊細さには非常に驚いた。もし、多くのフランスの家庭のように甘いもののある食卓に合わせたいと思うならば、このきりっとしてよくできたワインなら間違いない。
£33.95 Champagne Direct ほか
Ridgeview Blanc de Blancs Cuvée Merret Magnum 2000 England
マイク・ロバーツ(Mike Roberts)を偲ぶ、堂々たるマグナム(演出にはもってこいだろう)。彼はリッジビューでイギリスのワインに大きく貢献し、先月亡くなった。これだけ長いこと熟成させたイギリスのスパークリングに出会うことは非常に稀である。残念なことに、デゴルジュマンはごく最近、8月に行われているものの、シャルドネのみで作られたこのワインはそれほど繊細さを持ち合わせていない。ただし極辛口でさわやかな印象である。
£75 M&S (1本に換算すると £37.50)
Cédric Bouchard, Inflorescence Brut 2011 Champagne
非凡な生産者のシャンパーニュで非常に若々しいが果実味の強さとエレガントさがデゴルジュマン時の糖の添加(ドサージュ)なしで成り立っている。非常に特徴的で余韻がとても長い。
£43.20 The Sampler
Charles Heidsieck Rosé NV Champagne
最も自己主張の強いNVのロゼシャンパーニュのひとつは復調した生産者のもの。43%ピノ・ノワール、38%シャルドネ、19%ピノ・ムニエのブレンドで、深いピンク色、香りはいかにもシャンパーニュ。真の進化を遂げたワインらしいワイン。まろやかで鮮やかな果実味、余韻は長く、かんきつ類の皮の香り。
£43.53 Slurp.co.uk
Veuve Clicquot, Rich 2004 Champagne
実に淡い色調。きりっとして、リンゴの香りのする比較的辛口の味わいだが残糖は28g/L。このピノ主体のブレンドは非常によくできていて、コクのあるシーフード料理などと合わせると面白い。
£44.29 Amathus Drinks およびHedonism ほか
Ruinart, Blanc de Blancs NV Champagne
トーストのような心地よい香りは長い瓶熟成に由来するものだろう。究極なまでに爽快で食欲をそそる。混じり気がなくフレッシュ。
£47.95 Lea & Sandeman
Eric Rodez, Cuvée des Grands Vintage NV Champagne
力強く、深い味わい。本格派!骨格は繊細だがそれを構成する要素が多彩。クリュッグのグラン・キュヴェと並べてブラインドで試飲してみたいものだ。ロデス(Rodez)のサンプルの方がおそらくややシンプルだと思うが、けして遜色はないはず。
£50 Berry Bros & Rudd, £63.90 The Sampler
Veuve Clicquot 2004 Champagne
ヴェジタルな、還元的な香りが強いが不快ではない。とてもがっちりとした骨格でやや酸が低い。あまり泡が強くない。食事と合わせるためのシャンパーニュか。
£50.50 Tanners
Bollinger, Grande Année 2004 Champagne
私はこれを他の有名なヴィンテージ・シャンパーニュと共にブラインドでテイスティングしたが、群を抜いて面白く、複雑だった。香りにはやや成熟した香りをはっきりと感じ、熟成感が強く、洗練された落ち葉のような香りがある。魅惑的なワインなのでレセプションでさっと飲んでしまうにはもったいない。完璧で人を引き付ける力がある。
£56.95 Roberson 他、広く取引されている
Gusbourne, Late Disgorged 2007 England
またしてもイギリスのワインで長い熟成を経たものである。この前途有望な新しい生産者のワインは約6年間澱の上で熟成、更に瓶熟成もしている。アロマの複雑さと味わいの余韻の長さは熟成の甲斐があったというものだが、イギリスのトレードマークであるきりっとした酸ももちろん失われていない。
£56.95 Field and Fawcett, £58.95 Lea & Sandeman, £59.99 Selfridges
Pol Roger Blanc de Blancs 2004 Champagne
整った香りはその全ての要素のバランスの良さに由来する。酸が強すぎず、かといって甘味も強すぎない。最も「ドラマティックなワイン」ではないかもしれないが、シャルドネのみから作られるワインの選択肢としては非常に安定している。口当たりは非常にやさしい。
£70 Berry Bros & Rudd
Lanson, Noble Cuvée Blanc de Blancs 1998 Champagne
軽く傷んだリンゴの香り。引き締まった口当たり。やや酸味があるが個性と完成度の高さを感じる。乱れのない気泡。ごく辛口。全く妥協がない。
£71.50 The Champagne Company
Nyetimber, Tillington 2009 England
イギリスで初めて野心的な価格設定をしたワインとして発表された単一畑から作られた勇気あるスパークリング。私が見た限り、先入観なくテイスティングした人には非常に説得力が高かった。
£75 Berry Bros & Rudd
Bollinger, Grande Année Rosé 2004 Champagne
フレッシュな緑の要素が多く香りに感じられる。引き締まった口当たりでごくわずかにイーストを感じるが、非常にさわやかで自信に満ちている。最初の印象から中ほどで感じる味わい、さらに余韻まで三拍子揃っているワイン。
From around £77, quite widely available
Fleury Père & Fils, Sonate No 9 Extra Brut NV Champagne
ワイルドで刺激的(ビオデナミで作られた)。アロマの複雑さがこのワインを非凡なものにしている。ごく辛口だが強い野生の花の香り、素晴らしい骨格。見事なまでの緊張感。
£80 Berry Bros
Ca’ del Bosco, Cuvée Annamaria Clementi 2005 Franciacorta
イタリアの最高品質のスパークリングがシャンパーニュに匹敵する味と価格になることの証明。55%シャルドネ、25%ピノ・ブラン、20%ピノ・ノワール。この最高のボトルはついに豊潤でデリケートなものに到達した。ある程度の柔らかさがある一方、かんきつ類の皮の香りとさわやかさも併せ持つ。このブレンドに使われたピノ・ブランを含む全てのブドウはバリックで発酵しているにも関わらずオークの香りは全くせず、透明感のある気品が漂う。美しく小さな泡。
£82 Vini Italiani
Laurent Perrier, Grand Siècle NV Champagne
現在ローラン・ペリエが最も慎重に作るトップ・ブレンドは1997、1999、2002のヴィンテージから成っている。上品でレースのように繊細、きめ細かく編み込まれ、非常にセクシー。上質で複雑。もう子供ではなく、次の世代を生み出す。オッドビンのキュヴェは少し若いが、この次に来るのではないかと踏んでいる。
£90 Oddbins, £110 40 M&S stores
Krug Grande Cuvée NV Champagne
このブレンドの詳細はバックラベルのコード、ID413073をkrug.com に打ち込むことで見ることができる。珍しくオークで熟成させた香りが明らか。この完成された非常に複雑なワインはとても個性的で、1990から2006のヴィンテージのものをブレンドしている。非常に上質で優しい泡。
£109.50 Champagne Company, £125 Roberson ほか
Ruinart, Dom Ruinart 2002 Champagne
非常に晴れやかな香りと美しく絹のような口当たり。ドサージュが少ないにもかかわらず(6.5 g/l) 、果実味の豊かさにしっかりと支えられている。この年は素晴らしいヴィンテージである。今でも究極なまでに引き締まり、様々な要素を生みだす。
£120 Roberson, 在庫わずか
Bruno Paillard, NPU 1999 Champagne
控え目にNec Plus Ultra(訳注:ラテン語で「それ以上の物がない」の意)と名付けられたこのワインはシャルドネとピノ・ノワールの等量ブレンドで12年間澱の上で熟成し、ドサージュはわずか4 g/l 。 その結果として最も個性的なシャンパーニュが生まれた。ごく辛口だが質素ではなく、オークでの熟成をほのめかす香り、長期熟成に由来する軽やかな蜂蜜のニュアンスもある。身震いするほどゾクゾクするワイン。目を離せない。これはもはや食前酒とは言えない。しっかりと議論しながら味わうべきワイン。
£136.32 Exel Wines
より最近のシャンパーニュおよびその他のスパークリングワインに関するテイスティング・ノートは「The fizz assortment」と「Fizz assortment – part 2」を参照してほしい。
(原文)